北陸でM&Aをする際の費用・手数料|製造・建設業が損をしないための料金ガイド
北陸エリア(福井・石川・富山)でM&Aや会社売却を検討中の経営者様へ。仲介手数料の相場やレーマン方式の算出基準、能登半島地震後の修繕費交渉、譲渡所得税、消費税まで、M&A費用の全貌を徹底解説します。
目次
北陸エリア(福井県、石川県、富山県)で事業承継やM&Aを検討し始めた経営者様にとって、費用の問題は最も切実な懸念事項です。北陸はものづくりの伝統が深く、工作機械、精密部品、繊維、建築といった設備投資の比重が高い産業が主軸となっています。
こうした企業がM&Aを行う場合、資産規模が大きいために仲介手数料が高額化しやすく、契約内容を精査しなければ、売却価格は高いのに手数料と税金を払ったら手元にほとんど残らないという事態に陥りかねません。特に2024年の能登半島地震以降、北陸の企業評価においては、工場の修繕コストや耐震補強費用がデューデリジェンスでの減額要因となるケースも増えています。
さらに、M&A仲介会社によって着手金の有無や、手数料を算出する際の計算基準が大きく異なるため、どのパートナーを選ぶかが最終的な利益を左右します。本記事では、北陸エリアの経営者様がM&Aで損をしないために、費用の全体像から仲介手数料の仕組み、税金の計算方法、そして手取り額を最大化するための具体的なテクニックまでを網羅的に解説します。
長年守り抜いてきた会社の価値を、適正なコストで次世代へ繋ぐための実務的な指針としてご活用ください。
北陸のM&Aにかかる費用の全体像
北陸エリアにおいてM&Aを実行する際に発生する総コストは、主に仲介会社への手数料、専門家への実費、そして国や自治体に納める税金の3層で構成されています。これらの支出を合計した実質的な手残り額を事前に把握しておかなければ、成約直前になって手元に残る現金の少なさに驚くことになりかねません。
北陸の主要産業である製造業や建設業は、広大な工場用地や特殊な機械設備、重機といった資産規模が大きくなる傾向があります。そのため、一般的なサービス業などと比較して、手数料計算の基礎となる金額が高騰しやすいという地域的な特性を持っています。表面的な手数料率だけに注目するのではなく、すべての支出を差し引いた後の最終手取り額を精査することが極めて重要です。
特に借入金を利用して設備投資を行っている企業の場合、負債の扱いによって手数料が劇的に変動します。福井県の繊維メーカーや富山県の化学工場、石川県の機械加工業など、重厚長大な資産を持つ企業ほど、コスト構造の理解が成約後の手残り資金を左右します。想定外の出費を防ぐためには、早い段階から税理士やM&A専門家と連携し、詳細な収支計画を立てておくことが求められます。
具体的な費用の内訳は以下の通りです。
仲介会社へ支払うアドバイザリー費用
デューデリジェンスに伴う会計士、税理士、弁護士への専門家報酬
不動産鑑定や環境調査、震災後の設備修繕に伴う実費
株式譲渡所得税や事業譲渡に伴う法人税、消費税といった税金
これらの項目について、北陸の企業が損をしないための判断基準を詳しく解説していきます。M&Aの成功は売却価格の高さだけでなく、最終的に残る現金をいかに最大化できるかで決まります。
M&A仲介手数料の仕組みとレーマン方式
M&A仲介会社に支払う報酬は、業界標準として「レーマン方式」と呼ばれる計算式が広く採用されています。この方式は、取引金額の大きさに応じて手数料率が段階的に下がっていく仕組みですが、北陸の経営者様が注意すべきは計算の対象となる金額の定義です。
また、会社によって支払うタイミングも異なり、着手金や中間金の有無が初期の資金負担に大きく影響します。北陸の企業は堅実な経営を好む傾向にありますが、不透明な手数料体系に縛られると、成約しなかった場合のリスクばかりを背負うことになります。レーマン方式の内訳と詳細な計算ロジックを把握しておくことが、納得感のある取引への入り口となります。
どの名目で費用が発生し、それが自社の譲渡において適正なのかを冷静に判断する視点が必要です。特に資産規模が大きい北陸企業にとっては、数パーセントの計算基準の違いが数千万円の差となって現れるため、契約書の細部まで確認を怠ってはいけません。
報酬体系の4つの内訳
一般的なM&A仲介会社の報酬体系は、主に以下の4つの要素で構成されています。
1つ目は「着手金」で、アドバイザリー契約を締結した段階で発生する初期費用を指します。相場は50万円から200万円程度ですが、相手が見つからず成約に至らなかった場合でも返金されない掛け捨てのコストとなります。
2つ目は「中間金」で、買い手候補と意向表明を交わし、基本合意を締結した時点で発生する費用です。3つ目は「月額報酬」で、契約期間中にコンサルティング料として毎月定額を支払う形式ですが、近年は廃止する会社も増えています。最後が「成功報酬」であり、最終契約が完了した際に支払うメインの報酬となります。
北陸の中小企業案件では、数千万円から数億円の譲渡額が多く、数百万円規模の着手金がハードルとなってM&Aの検討を断念してしまうケースが散見されます。しかし、近年はこうした初期リスクを排除した完全成功報酬型の仲介会社も増えており、経営者様のリスク負担を大幅に軽減できるようになっています。
特に能登半島地震の影響で先行きの不透明感がある中では、成約まで費用が発生しない体系を選ぶメリットは非常に大きいと言えます。不確定な未来に対して最初にお金を払うのではなく、成果に対して正当な対価を払う仕組みを選ぶべきです。
レーマン方式の基本計算
レーマン方式とは、取引金額を一定の階層に分け、それぞれの部分に異なる料率を掛けて合計する累進的な計算方法です。一般的な料率テーブルでは、5億円以下の部分に5%、5億円を超え10億円以下の部分に4%、10億円を超える部分に3%といった設定がなされています。
この料率は多くの仲介会社で共通していますが、計算の基準となる金額によって総額は大きく変わります。具体的に、富山県の建設会社が譲渡価格3億円で成約した場合の手数料をシミュレーションしてみます。この場合、3億円全額が5億円以下の区分に該当するため、3億円に5%を乗じた1,500万円が手数料となります。
もし譲渡価格が7億円であれば、最初の5億円に5%(2,500万円)を掛け、残りの2億円に4%(800万円)を掛けた、合計3,300万円が算出されます。北陸の企業の多くは取引額が5億円以下に収まるため、実質的には譲渡額の5%程度が手数料の目安となると考えておけば間違いありません。
ただし、最低報酬額の設定がある場合、この計算結果よりも高くなる可能性がある点には注意が必要です。計算式自体は単純ですが、次章で解説する算出基準の落とし穴こそが、最も警戒すべきポイントとなります。
北陸の企業が陥る手数料の落とし穴とは
製造業や建設業が盛んな北陸エリアの経営者様にとって、最も警戒すべきなのが手数料の算出基準です。同じレーマン方式という名称であっても、料率を掛ける対象が負債を含めた総資産なのか、売り手が受け取る株価なのかによって、金額が倍以上に変わります。
北陸の企業は工場建設や重機の購入、資材調達のために金融機関からの借入金を抱えていることが多く、この負債の扱いが手数料の分岐点となります。多くの仲介会社が業界標準として提示する体系の中には、売り手にとって著しく不利な条件が隠されている場合があります。
地方の優良企業が、本来払う必要のない高額な手数料を請求され、手元に残る資金を大幅に減らしてしまう事例は後を絶ちません。北陸の企業が特に注意すべき代表的な落とし穴について、具体的な事例を交えて詳しく解説します。
移動総資産ベースの危険性
移動総資産ベースとは、売り手が実際に受け取る株式の対価だけでなく、その会社が抱えている借入金などの有利子負債をすべて足した総額に対して料率を掛ける方式です。北陸の製造業では、大規模な工場設備や生産ラインを構築するために多額の借入を行っているケースが一般的です。
この方式を採用している仲介会社に依頼すると、手取り額に比べて手数料が極端に膨れ上がります。例えば、以下のような石川県の精密機械メーカーのケースを考えてみてください。資産が10億円、銀行借入金が9億円、実質的な株式価値が1億円という会社を株式譲渡する場合です。
移動総資産ベースの仲介会社は、総資産である10億円を基準に計算するため、手数料は4,500万円となります。オーナーが手にする1億円のうち、半分近くにあたる4,500万円を手数料として支払えば、税金を考慮すると手元にはほとんど何も残りません。
これがいわゆる「手数料負け」の状態であり、負債の大きい装置産業にとって、この方式は極めてリスクが高いと言わざるを得ません。北陸の経営者様は、契約前に算出基準が移動総資産になっていないかを厳格にチェックすべきです。
株式価値(譲渡対価)ベースのメリット
株式価値ベースとは、売り手である経営者が実際に買い手から受け取る株式の譲渡代金のみを基準に手数料を計算する方式です。前述の「株式価値1億円、負債9億円」の例で計算すると、この方式では1億円に対して料率が掛かるため、手数料は500万円で済みます。
移動総資産ベースの場合と比較して、支払額に4,000万円もの劇的な差が生じることになります。借入金をして事業を維持し、北陸の地域経済を支えてきた製造業や建設業にとって、この算出基準の選択は決定的な違いとなります。
負債を頑張って返済してきた努力が、手数料の増大という形で裏目に出ないように、株式価値ベースを採用する仲介会社を選ぶのが合理的です。当社のようにオーナー様の手取り最大化を掲げる会社であれば、この方式を標準として提供しています。
契約書に記載された小さな定義の違いが、引退後の生活資金に数千万円の差を生む現実を直視しなければなりません。北陸の経営者様が長年築き上げた資産を守るためには、この株式価値ベースでの契約が欠かせない条件となります。
最低報酬額(ミニマムフィー)の設定
料率計算とは別に、多くの仲介会社が定めている最低報酬額も、地方の小規模案件においては大きな負担となります。東京に本社を置く大手仲介会社の多くは、最低報酬額を2,000万円から2,500万円程度に設定しているケースが一般的です。
北陸の小規模な建設会社や部品加工業において、譲渡価格が5,000万円となる場合、本来の料率5%であれば250万円の手数料です。しかし、最低報酬額の規定により、問答無用で2,000万円が請求されることになります。
これでは売却代金の4割が手数料で消えてしまい、オーナー様が受け取る利益は著しく毀損されます。仲介会社側からすれば、小規模案件でも工数は変わらないという理屈ですが、売り手にとっては納得感の低い負担と言えます。
自社の売却見込み額に見合った、適切な最低報酬を設定している仲介会社を選ぶことが、損をしないための防衛策となります。例えば、最低報酬を500万円や1,000万円に抑えている、あるいは設定していない会社も存在します。
手数料以外にかかる実費と震災関連コスト
M&Aのプロセスにおいては、仲介手数料以外にも、買い手側や売り手側が負担する諸費用が発生します。特に現在の北陸エリアにおいて無視できないのが、能登半島地震に伴う修繕コストや環境変化への対応費用です。
これらの費用を誰が、どの段階で負担するのかは、最終的な譲渡価格にダイレクトに跳ね返ってきます。交渉の進め方次第では、実質的な売却価格が大幅に削られる可能性があるため、あらかじめ発生しうる実費の項目を整理しておく必要があります。
デューデリジェンス費用や登記費用、さらには北陸特有の災害リスクへの備えなど、多岐にわたる項目が存在します。ここでは、仲介手数料以外で経営者が把握しておくべき代表的な実費について解説します。
デューデリジェンス(買収監査)費用
デューデリジェンスとは、基本合意後に買い手側が専門家を雇い、売り手企業の財務、法務、労務などを詳細に調査するプロセスです。この費用は、原則として買い手側が負担することが一般的であり、売り手側に直接的な支払いは発生しません。
一回あたりの調査で数十万から数百万円の専門家報酬がかかりますが、売り手は資料提供や面談対応に時間的なコストを割くことになります。売り手側の実質的なコストとしては、このDDに対応するために自社の顧問税理士に追加の資料作成を依頼した際の手数料などが挙げられます。
北陸の企業は帳簿が整理されている優良企業が多いですが、もし管理体制に不備があると、調査期間が長引いて売り手側の心理的・時間的負担も増大します。資料整備を事前に済ませておくことは、目に見えないコストを抑えるだけでなく、買い手からの信頼を高めることにも繋がります。
また、売り手側が自らリスクを把握するために行うセラーズDDを実施する場合は、その費用は自己負担となります。しかし、これを事前に行うことで、交渉段階での予期せぬ減額要求を防ぐことができるため、投資対効果が高い場合もあります。
震災復旧・修繕コストの扱い
能登半島地震の影響を直接的あるいは間接的に受けた石川県や富山県の企業にとって、工場の修繕や地盤の復旧費用は大きな交渉材料となります。買い手側は、DDの段階で建物のひび割れや設備の歪みを厳しくチェックし、買収後の投資リスクを査定します。
ここで発生するコストの扱いは、主に売り手が直してから売るか、現状のまま売り、修繕費分を価格から引くかの二択です。成約前に売り手が自費で修繕を完了させる場合、譲渡価格を高く維持できるというメリットがあります。
一方で、現状有姿で売却し、想定される修繕費用分を譲渡価格から差し引く場合は、手出しの現金負担を抑えられます。地震保険の受け取り状況や、自治体からの復興補助金の活用可否も含めて、どちらの選択が最終的な手残りキャッシュにおいて有利になるかを精査しなければなりません。
専門家と相談し、修繕見積もりを早期に取得しておくことが、買い手との不毛な値引き合戦を避けるための必須条件です。災害リスクを不透明なままにしておくと、買い手は安全を見て多額の減額を要求してくる傾向があります。
不動産登記費用と許認可申請
株式譲渡によるM&Aが完了した後も、法的な手続きに伴う実費が発生します。工場用地や倉庫などの土地・建物について、所有権自体は会社に残りますが、代表者が変わることに伴う役員変更登記が必要になります。
これには数万円の登録免許税や、司法書士への報酬がかかりますが、会社規模に比べれば微々たる金額です。注意が必要なのは、建設業許可などの許認可の維持にかかる行政書士費用です。
株式譲渡であれば原則としてそのまま維持できますが、役員構成が変更になったことによる変更届出が必要となります。特に事業譲渡スキームを選択した場合は、不動産の移転登記費用として不動産価格の数%にあたる登録免許税が発生し、その額は数千万円単位になることもあります。
北陸の広大な工場用地を持つ企業が事業譲渡を選ぶと、この登記費用だけで多額のコスト負担が生じる点に留意してください。コストの観点からは、株式譲渡の方が圧倒的に有利であり、特別な事情がない限りは推奨されるスキームです。
会社売却にかかる税金(譲渡所得税・法人税)
M&Aで得た売却益には、必ず所得税や法人税などの税金が課されます。北陸の経営者様が手にする最終的な現金を決めるのは、売却額ではなく税引き後の残額です。
売却の手法によって適用される税目と税率が大きく異なるため、事前の税務シミュレーションは欠かせません。北陸の老舗企業は、創業時の出資額が極めて低く、譲渡代金のほとんどが課税対象となるケースが多くあります。
税金の影響は仲介手数料以上に大きく、数億円単位のインパクトを持つことも珍しくありません。主要な2つのスキームにおける税金の仕組みを詳しく解説します。
株式譲渡の場合(所得税・住民税)
個人株主が株式を第三者に売却する株式譲渡は、中小企業M&Aで最も多く採用される手法です。この場合、経営者個人に譲渡所得税がかかります。税率は譲渡益に対して一律で20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)の分離課税となります。
給与所得など他の所得とは合算されず、金額の多寡に関わらず一律約20%であるため、多額の売却益が発生するM&Aにおいては非常に有利な税制です。例えば、株式価値1億円で売却した場合、取得費などを除いた約2,000万円が税金となり、約8,000万円が手元に残ります。
北陸の不動産を多く含む優良企業の売却であっても、この20%という固定税率は、資産承継の観点から大きな利点となります。また、後述する役員退職金の活用によって、この20%の税負担をさらに軽減できるスキームも存在します。
株式譲渡は手続きが簡便なだけでなく、税務面でのメリットも大きいため、オーナー経営者にとっては第一選択肢となるはずです。ただし、取得費が不明な場合は売却価格の5%を取得費とするなどのルールがあり、計算が複雑になることもあるため、専門家の確認が必要です。
事業譲渡の場合(法人税・消費税)
会社の一部門だけを売る、あるいは資産と事業だけを売る手法が事業譲渡です。この場合、売却代金を受け取るのは会社であるため、売却益に対して約30%から34%の実効税率で法人税が課されます。
株式譲渡の20%と比較して税率が高いだけでなく、経営者個人が現金を手にするには会社から配当や退職金として引き出す必要があり、二重に課税されるリスクがあります。さらに、事業譲渡において忘れてはならないのが消費税です。
事業譲渡は資産の売買とみなされるため、土地を除く建物、機械設備、車両、のれん(営業権)などはすべて消費税(10%)の課税対象となります。例えば、5億円の焼却炉や工場設備を売却する場合、買い手から5,000万円の消費税を預かり、後で納税することになります。
建物評価額が高い北陸の製造業では、消費税だけで多額のキャッシュアウトが発生し、一時的な資金繰りに大きな影響を与えます。買い手にとっても消費税分の支払い負担が増えるため、価格交渉に悪影響を及ぼすこともあります。
北陸における相談先別の費用対効果比較
M&Aを検討する際、どこに相談するかによって、かかるコストだけでなく得られる成果が劇的に変わります。北陸エリアには長年の信頼関係を築いている地元の金融機関が存在しますが、M&Aという特殊な実務においては、費用対効果の観点から冷静にパートナーを比較検討する必要があります。
安さだけで選んで成約しなかったり、適切な買い手に出会えず安売りしてしまったりしては本末転倒です。主要な相談先にはそれぞれ一長一短があり、自社の規模や目的によって使い分けることが求められます。
地元の安心感を取るのか、広域的なマッチング力を取るのか、その判断が企業の将来を左右します。北陸の経営者様が利用できる代表的な相談先のコストパフォーマンスを整理します。
地元金融機関(北國・北陸・福井銀行など)
北國銀行、北陸銀行、福井銀行といった地元の地方銀行は、地域の企業情報に精通しており、最も安心感のある相談先です。手数料に関しては、着手金無料などの柔軟な対応をしてくれるケースもあり、一見すると安価に感じられます。
しかし、最大の懸念は紹介先がどうしても自行の取引先ネットワークの中に限定されがちであるという点です。より高い技術評価をしてくれる東京や大阪の大手企業、あるいは大きな成長シナジーを提示してくれる異業種の企業との出会いを逃してしまう機会損失のリスクがあります。
本来3億円で売れるはずの技術が、県内の同業者同士の狭いマッチングにより1億円で妥結してしまうようなケースは、表面的な手数料の安さを上回る大きな損失と言えます。地元の銀行は融資の相談には最適ですが、売却価格の最大化を目指すのであれば、専門の仲介会社との併用を検討すべきです。
また、地方銀行が窓口となり提携している外部の仲介会社を紹介されるケースでは、紹介料が発生し、結果としてトータルコストが高くなることもあります。日常的な付き合いがあるからという理由だけで決めるのではなく、どのような買い手候補を連れてこられるのか、その具体的なネットワークの広さを確認することが重要です。
M&A仲介会社
M&A仲介会社は、全国規模のネットワークを持ち、買い手と売り手の間に立って交渉を主導する専門組織です。成功報酬型の手数料が発生するため、地元の税理士などに頼むよりはコストがかかりますが、それ以上のアップサイドを狙えるのが最大の特徴です。
特に北陸の製造業が持つニッチトップな技術力は、首都圏や関西圏、さらには海外展開を狙う企業から非常に高く評価されます。専門的な仲介会社であれば、自社の強みを理論的に買い手へアピールし、企業価値を適正に引き上げることが可能です。
仲介手数料を支払ってでも、全国から最も良い条件を提示してくれるパートナーを見つけ出すことが、最終手取り額を最大化させるための最も合理的な投資となります。また、複雑な税務スキームの提案や、PMIを見据えたアドバイスなど、付加価値の高いサービスを受けられる点もメリットです。
北陸の経営者様が仲介会社を選ぶ際は、過去の同業種での成約実績や、北陸エリアへの注力度を重視してください。当社のようにAIマッチングを駆使して広域のニーズを掘り起こす会社であれば、地元の銀行では辿り着けない最高の相手を提案できます。
M&A総合研究所の料金体系が北陸企業に適している理由
M&A総合研究所は、資産規模が大きく設備投資に伴う負債を抱えやすい北陸の企業の特性に合わせた、極めて合理的でリスクのない料金体系を採用しています。私たちは、経営者様が長年築き上げた資産を最大限に守ることを最優先に考えています。
不透明な手数料計算や、成約しなかった際の手出し費用を一切排除したシステムが、なぜ北陸の経営者様に選ばれているのか、その理由を説明します。当社の強みは、テクノロジーによる効率化と、地域に密着した専任チームの存在です。
これにより、高水準のサービスを維持しながら、売り手オーナー様にとって最も有利な条件での成約を実現しています。北陸特有の産業構造や、震災後の厳しい環境を理解した上で、負担を最小限に抑えるための工夫を凝らしています。
譲渡対価ベース(株式価値ベース)の手数料
当社のレーマン方式は、有利子負債を含まない株式価値のみを基準に計算します。前述の通り、工場や機械設備の投資で多額の借入金がある北陸の企業にとって、総資産ベースでの計算は致命的な負担となります。
当社では、どれだけ借入金があっても、その負債分に対して手数料を請求することはありません。この株式価値ベースの採用により、他社と比較して支払手数料が数百万円から、大規模案件であれば数千万円単位で安くなるケースが大半です。
オーナー経営者様の手元に残る現金を一円でも多く増やすための、実務に即した誠実な料金体系です。借入金を抱えて懸命に事業を継続してきた経営者様が、最後の売却の場で損をすることのないよう配慮しています。
完全成功報酬制(着手金無料)
M&A総合研究所は、譲渡企業様に対し、着手金、中間金、月額報酬を一切いただかない完全成功報酬制を徹底しています。北陸の経営者様の中には、能登半島地震の影響による将来不安や、承継の難しさから、本当に売れるのだろうかと躊躇されている方も多いはずです。
当社であれば、成約するまで一円も費用がかかりません。万が一、調査の結果、条件が合わずに破談となった場合でも、費用負担はゼロです。経営者様は、金銭的なリスクを一切負うことなく、まずは自社の市場価値を知り、買い手候補を探し始めるというアクションを起こすことができます。
不確実なものに初期費用を払いたくないという北陸の堅実な気質に合致した、最も安心できる選択肢です。慎重な判断を求められる事業承継において、コストリスクをゼロにできることは、経営者にとって最大の安心材料となります。
北陸専任チームによる効率化
当社には、福井、石川、富山の各県における地理感や産業特性を熟知したアドバイザーによる北陸専任チームが配置されています。東京から毎回出張してくる仲介会社と異なり、地場の論理やスピード感を理解したサポートが可能です。
独自のAIマッチングシステムを駆使して最適な買い手候補を瞬時に特定するため、無駄な面談やコミュニケーションロスを削減し、最短期間での成約を目指します。成約までの期間が短縮されることは、経営陣の精神的な負担軽減だけでなく、M&Aプロセス中に発生する間接的なコストの削減にも直結します。
効率的なプロセス管理により、高い成約率と納得感のある譲渡価格を両立させています。北陸の企業の元へ何度でも足を運び、膝を突き合わせて信頼関係を築く泥臭いサポートこそが、当社の強みです。
北陸エリアおよび関連産業のM&A成功事例【M&A総合研究所 成約インタビューより】
適切なパートナー選びと手数料体系の選択により、費用対効果の高い事業承継を実現した事例をご紹介します。これらの事例は、単なる費用の節約ではなく、提携によって自社単独では得られなかった成長やリスク回避というリターンを手にしたことを物語っています。
北陸の経営者様が直面する共通の悩みを、M&Aという手段でどう解決したのか、その具体像をイメージする参考にしてください。実際に成功した経営者の声には、仲介会社選びの重要性や、価格交渉の際のポイントが凝縮されています。
自社の業種や規模と照らし合わせながら、どのようなプロセスで成約に至ったのかを確認してください。成功への確信を得るために、他社の歩みを学ぶことは非常に有益なプロセスとなります。
【福井県・製造業(買い手)】株式会社ミヤゲン|エリアを越えた技術承継
福井県でポリエチレン製品の製造・販売を行う株式会社ミヤゲンが、群馬県の中村製袋株式会社を譲り受けた事例です。この案件では、北陸の企業が買い手となり、県外企業の技術と商圏を効果的に獲得しました。
コストをかけてM&Aを行う以上、その投資が自社の事業拡大にどう繋がるかが投資対効果の核心となります。ミヤゲンは、自社にない製品ラインナップと関東圏の拠点を一括して手に入れることで、一から拠点を設立し採用するコストと時間を大幅に節約することに成功しました。
県外企業とのマッチングを恐れず、広域的な視点で提携先を探したことが、高いROIを生んだ好例です。福井の企業が他地域の技術を救い、自社の成長エンジンとする「攻めのM&A」は、多くの北陸企業にとって一つの指針となります。
【建設・設備業】地域インフラを守る価値
後継者不在に悩んでいた地場の建設会社が、地場大手ゼネコングループへの合流を選択した事例です。経営者が最も懸念していたのは、廃業する場合にかかる膨大なコストでした。
従業員の解雇予告手当、機械や重機の処分費、そして長年積み上げた現預金に課せられる高い清算税金です。しかし、M&Aを選択したことで、廃業コストを一切かけることなく、逆に高額な株式売却益を手にすることができました。
従業員の雇用も守られ、地域インフラとしての施工能力も存続しました。これは、M&A手数料を支払ってでも、それ以上の巨額な廃業損を回避したコスト回避型の成功事例として評価されます。北陸の建設業界においても、人手不足や復興需要への対応から、こうした広域なグループ入りが極めて有効な戦略となっています。
手取り額を最大化するための節税・コスト削減方法
仲介会社の手数料交渉を頑張るよりも、制度を賢く利用して税金や不必要な支出を減らす方が、確実かつ効果的に最終的な手取り額を増やすことができます。特に北陸のオーナー経営者様は、長年同一企業で勤め上げていることが多いため、税務上の優遇措置を最大限に活用できる余地が多分にあります。
手取り最大化のための実務テクニックを理解しておくことは、経営者としての最後の重要任務です。節税対策は成約直前では間に合わない場合もあるため、早期の計画立案が求められます。
また、買い手に対する情報開示を適切に行うことで、調査コストを下げ、価格交渉を有利に進めることも可能です。ここでは、誰にでも実践可能な2つの重要なコスト削減・利益増大手法について解説します。
役員退職金の活用
株式譲渡によるM&Aにおいて、譲渡対価の全額を株価として受け取るのではなく、一部を「役員退職金」として受け取る手法です。株式譲渡益には一律約20%の税金がかかりますが、退職所得には非常に大きな退職所得控除が認められており、さらに課税対象額が2分の1になるという強力な優遇措置があります。
北陸のオーナー社長は勤続年数が30年、40年と長いケースが多く、このメリットを最大限に享受できます。控除額を適切に設計することで、普通に株を売るよりも手取りキャッシュを数千万円単位で増やせる可能性があります。
ただし、退職金の額が不当に高額すぎると税務署に否認されるリスクがあるため、M&Aに精通した税理士との綿密なシミュレーションが必要です。譲渡対価の内訳を戦略的に分けることで、合法的に税負担を抑え、経営者の手元に残る資金を最大化させるこの手法は、M&A実務における鉄則と言えます。
事前磨き上げによるDD費用削減
買収監査において、買い手側がリスクを不透明だと判断すると、不測の事態に備えたリスクプレミアムとして譲渡価格が大幅に減額される傾向にあります。成約を急ぐあまり、不備のある状態で見切り発車することは、結果として値引きという最大のコストを生みます。
事前に自社の帳簿や契約書を整理し、法的・財務的な欠陥がない状態にしておいてください。未払い残業代のリスクがないか、工場用地の境界確定に問題はないか、能登半島地震に伴う修繕箇所の見積もりは出ているか、といった情報をオープンに提示します。
買い手が調査にかける時間と労力を削減してあげることが、買い手側のDD費用の節約に繋がり、ひいてはスムーズな高値売却へと繋がります。情報を整理整頓する磨き上げ作業は、最もコストパフォーマンスの良い増額手段です。
まとめ
北陸エリアにおけるM&A費用は、表面的な手数料率の数字だけでなく、仲介手数料の計算基準、税務スキームの選択、そして実費のコントロールという多層的な視点で捉える必要があります。福井、石川、富山それぞれの地域に根ざした製造業や建設業は、資産規模が大きいがゆえに、適切な設計を行わなければ、手元に残る利益が大きく損なわれるリスクを孕んでいます。
M&Aを成功させるための実務的な判断軸は、どれだけ安く済ませるかではなく、どれだけ多くのキャッシュを適正に残すかにあります。地元の金融機関による安心感と、全国展開する仲介会社によるマッチング力を賢く比較し、自社にとって最適なパートナーを選んでください。まずは無料の企業価値算定や手数料見積もりを通じ、自社の現在地と最終手取り額を把握することをお勧めします。その事前の準備こそが、経営者人生の集大成であるM&Aを、最も納得感のある形で結実させることになります。
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